大学はとにかく自由で楽しい!大好きな読書や万葉集の研究に打ち込む4年間書店でのアルバイトがきっかけで本を出版文芸評論家の道を歩み始めるにのめり込んでいきました。部活と勉強に疲れると書店に通っていましたね。ますか?組の青春群像を描いた歴史小説で、10代で読んだからこそ刺さる話だったと思います。その影響で京都の大学に進学したいと思うようになったので、京都大学文学部をめざすきっかけになった本でもあります。すね。では、趣味の読書が受験勉強に役立つことはありましたか?される題材を知っているほうが有利ですよね。また京大の入試問題は、長い文章を読んで解く問題が多かったのですが、普段から長い文章や難しい文章を読んでいたことが役に立ったと思います。めて勉強に打ち込みました。とにかく「落ちたくない」「一年で終わらせたい」という気持ち三宅 三宅 三宅 ——高校時代に読んで影響を受けた本はあり——人生の選択に大きな影響を与えた一冊で——受験生時代の思い出は?司馬遼太郎の『燃えよ剣』です。新選現代文はもちろんのこと、古典は出題受験生の時は大好きな読書を一年間やでしたね。「本を読めない生活が2年も続くのは絶対嫌だ!」という気持ちでした。当時は修行期間だと思って何とか乗り切りましたが、今振り返ると、なにかひとつのことに専念する時期は、とても貴重なものだったと思います。はどうでしたか?たので、すごく自由で楽しかったですね!大学の友人と遊んだり、書店や古本屋も夜遅くまで開いていたので、そこに出入りして深夜まで本を読むような生活もとても楽しかったです。大学時代は、本当にあっという間に過ぎたって感じです。か?校時代も仲のいい子はいましたが、趣味の読書三宅 三宅 ——そして憧れて入った京都大学の学生生活——いちばん印象に残っていることは何です高校時代が部活と勉強ばかりの生活だっ趣味の合う友人ができたことです。高で話が合う子はなかなかいませんでした。でも大学では、そういう話ができる子がたくさんいたので、それがすごく嬉しかったですね。先生も尊敬できる方がたくさんいらっしゃったので、学問・研究への姿勢など、ある意味、生き方の模範となるようなものを大学生の時に見つけたという感じです。学部時代にゼミで万葉集の和歌の研究をしていたのですが、研究が楽しかったので、学部だけで終わるのはもったいない、もっと研究を深めたいと思ったんです。万葉集には広く使われている普通の言葉がいっぱいつまっているので、言葉が変化していく様子がわかるのです。万葉集に納められた和歌には年代の幅があるので、年代を経るごとに少しずつ言葉が変化していったり、文学的な表現が生まれていったりする過程が見えるのが、すごく興味深かったですね。評論家に?大学院生の時に書店でアルバイトをしていたのです。その業務として本を紹介するブログを執筆していたのですが、そのブログがバズって、出版社から本を出しませんかと声をかけてもらったのです。その本(『人生を狂わす名著りました。たのですか?バイト業務の一環という感じですね。大きな書店ではありませんでしたし、とにかくブログを更新して欲しいという感じで内容は自由だったので、自分の好きな本を選んで紹介を書いていました。三宅 三宅 三宅 三宅 ——どうして大学院に進学したのですか?——万葉集の魅力は?——大学院での研究生活から、どうして文芸——書店のブログはどういう気持ちで書いてい——三宅さんの本はどんな人にも読みやすい文体ですよね。一冊目の本を出したのが20代前半で若かったので、若い人が背伸びした文体を使っても恥ずかしいなと思ったのです。そこで、できるだけ背伸びしない文体にしようとした結果こうなりました。またインターネットでブログを書いていたので、あまり難しすぎると読んでもらえないかなと思っていたことも影響しているかな、と思います。今でも、いろんな方に読んでほしいので、書く時には読者を限定しないことを心がけています。ます。三宅 書評の仕事をはじめて、研究より書評のほうが向いているなと思うようになりました。そして今後書評の仕事をしていくなら、いったん就職して社会に出た方がいいかなと思い、副業が認められている会社を探して入社しました。そこから書評を専業とするまで3年半ほど会社員と書評の仕事を両立していました。と本が読めなくなるのか』は実体験から生まれた本なんですね。三宅 そうです。本が読めなくなった自身の経三宅 ——その後、大学院を途中でやめて就職され——ベストセラーになった著書『なぜ働いている験から、なぜ読めなくなるのかを追究して書きました。伝えていきたいですか?三宅 いい本がたくさんあることを多くの人に知ってほしい、本を読んで考えを整理することは楽しく、面白いということを伝えていきたいと思っています。本を読むことも、考えることも、一人でできるところが私は良い点だと考えています。受験勉強もそうですが、皆とする活動と比べ、一人でする活動はちょっとマイナスに捉えられがちですが、皆から離れて一人でものを書いたり、読んだりする楽しさもあるので、それを伝えていきたいと思っています。ます。三宅 受験生活は人生でいちばんと言えるぐらい大変なので、「後は人生、楽なことしかない!」という前向きな気持ちで頑張ってください。受験勉強を頑張っていると、「○○をやる時間が取れなくてつらい」とか「受験が終わったら一番に○○をやりたい」と思うことがあるのではないでしょうか。そういうときこそ、本当に自分が好きなことが見つかるチャンスです。応援しています。——文芸評論家として、今後どういうことを——では最後に受験生へのメッセージをお願いし 450』)がきっかけで、それから本を書くようにな 三宅香帆さんの著書をチェック!書店でのブログをもとに書かれたデビュー作のブックガイド。様々な小説やノンフィクション、漫画まで、「人生を狂わされる本」50冊の書評を紹介しています。「推し語り」という切り口で、口頭だけでなく、SNSでの発信やファンレターを書く時などにも役立つ、自分の言葉で素晴らしさを表現する技術を伝えます。『人生を狂わす名著50』 ライツ社(定価1,980円)『「好き」を 言語化する技術 推しの素晴らしさを 語りたいのに「やばい!」しか でてこない』 ディスカヴァー・トゥエンティワン (定価1,320円)
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